・植酸とは
「植酸」とは、当社創業者の命名による造語です(商標登録取得)。
植物が自分の体を維持、生育するために自ら体内で生産し、根から分泌される種々の有機酸及び糖類のことを指します。製品開発当時から、根の分泌物として有機酸があることは知られていましたが、当社はその有機酸の特殊な働きを研究、利用して肥料の開発を行いました。
・岩場のマツはなぜ育つ?
水分も肥料もほとんどない、一見植物が生育する環境とは想像しがたい岩場でも、松の木はなぜ枯れずにすくすくと育つのか?この疑問が植酸を研究する原点になりました。
観察と研究の結果として、松は光合成により自ら天然の有機酸を作り出し、それらを根から分泌します。そして岩石や、わずかな土のミネラルを有機酸が溶かし、更に植物が吸収しやすい形にします。また、有用微生物の増殖を促すなど、過酷な環境にただ耐えるのではなく、自らが生きる場を整えていることがわかりました。このような作用は、様々な植物にみられます。
植物が育つということは、無機物と有機物の垣根を越えて、微生物を含めた自然界のあらゆるものの共同作業であり、それらを植物は自らの根からはたらきかけているのです。
・土壌環境の悪化とは
無機硫酸系肥料、または無機塩化物系肥料に含有されている副成分の沈積(塩類集積)によって、引き起こされた強酸性(強アルカリ性)土壌のことを指します。
強酸性土壌へ無機石灰の多投によって中和を図ると、石膏生産土壌となります。石膏生産土壌は、固結、透水性の悪化、酸素欠乏、地温伝導阻害等、根圏における有効微生物の繁殖阻害が発生し、「死んだ土」となります。
無機化学肥料の単独の多投、農薬の規定量を超えた使用継続は、土壌の酸性化が進み、 窒素が亜硝酸態窒素となり、これが作物の根から吸収されると、葉からの炭水化物と結合しても未消化蛋白となり、病害誘発の作物となります。